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優月に好きな人がいるという疑惑を里乃はまだ持ち続けていたが、他言はしていないようで、優月はほっとしていたが安心はできなかった。


だって、言いたくてうずうずしているのが見え見えだったから。





休み時間、彼女の席の隣にやってきた里乃は、前の席にいる後藤に聞こえるように、わざとらしく話す。


「ねー、そう言えばさ、ゆづの好きなタイプってどんな人?」


「え?タイプって…」


「あ、それ一応聞いておこう」


そこにまんまと便乗してきた後藤は、後ろに振り返って椅子に跨る。



気のせいではない、頭痛がしてきた優月は、とりあえず死んだ魚のような目をした。



「ちょっとは聞かせてよー」


聞こえぬふりをするも、肩をしつこく揺さぶる里乃。

ここであの事を引き出されても、またややこしくなる。

そう思い……、