あれから数日が経ち、相園家と優月の間に溝ができていた。
瞬は翌日には泣きやみ、ほんの少し元気が無いだけで、いつも通り保育園にも通った。
陸と瞬が二人でどんな話をしたのか分からなかった。
陸も言わなかったし、優月も聞かなかった。
あの二人の光景が目に焼き付き、彼女はいつも通り接することができなくなっていた。
相当ショックだったのかもしれない。
瞬をなぐさめようにも、自分は必要ないのではと思うと行動に移せなかった。
おばあちゃん達が気を遣ったことも、返って彼女の傷になっていた。
本当の家族じゃない、本当の母親じゃない自分……。
どこまで愛情を注げばいいのか。
もし、本当の母のように思ってくれたなら……、そんな甘い考えが無い訳ではない。
けれどあの日を境に、瞬には腫れものを触るように、明らかに距離を取ってしまう自分いた。