(……何?何があったの?……意味がわからない)



布団に顔をうずめながら、もやもやざわざわする胸に苦しむ。







部屋に戻る前、慌てたように優月の背中に向かって声を掛けたおばあちゃんの声が、頭の中で繰り返す……。


『帰ってきてから事情言おうと思ったの。混乱させちゃ悪いと思って……。今日部活だったでしょ?』


『瞬ちゃん、具合悪いの?』


『ううん、そうじゃないんだけど』


『……そっか。よかった』



言いかけそうになった言葉に、冷静な自分がストップをかけ、その場を後にした。









優月はイラついてもいた。


虚しくも感じていた。



自分だけ瞬のことを聞かされていなかったことに。



(大したことじゃないから?十分大したことじゃん。…家族じゃないから、私に知らせる必要なかったから?……部活、休んだって全然構わないのにっ)




それが声を出して言いたかった、押し殺した叫びだった。