「自分からお話ししてくれたら、いいんだけど…。ずっとこのままなの。こんなこと、初めてよね」
悲しそうにおばあちゃんは零した。
「けど、陸が来てだいぶ落ち着いてきたんじゃないか?ほら、きっと安心したんだな」
おじいちゃんが言うように、確かに陸にしがみつくように抱きついている瞬は、ぐずんぐずん言いながらも、滝のように溢れていた涙もポロっとゆっくり落ちていくものに変わっていた。
「俺、ちょっとあっちの部屋で、瞬に聞いてみるよ」
「そうね、二人きりの方がいいわね。……陸、わざわざごめんね、バイト中に」
「ううん、知らせてくれてよかったよ。ありがとう。ばあちゃん、じいちゃん」
小さく微かに笑みを浮かべたおばあちゃん達を残し、陸はいつも瞬が寝ている部屋へと移動した。
その後、間もなくして優月が帰宅した。
おばあちゃんが微笑みながら出迎えるも、どことなく元気がない様子に気づく。