保育園から連絡が来たのはお昼過ぎ。


先生がみんなに絵本を読んでいた時、その中にいた瞬が珍しくぐずりだし、先生があやそうとするもなかなか機嫌が直らず、しまいには泣き出してしまったそう……。


滅多にないことに異変を感じ、もしかしたら具合が悪いのかもしれないと、念のため家に連絡がいったのだそう。








入園した当初こそさすがにぐずっていたものの、それでも周囲を困らせることなど一切なかった。



家でだってここ最近は泣いたことがなかったのだ。






まだ幼い盛り、泣かないことの方が心配でもあった。



いざ現実に泣いた事実を知ると、安心なんてどうしてできようか、陸は怖くて不安でたまらなくなっていた。







帰宅するとおばあちゃんの腕の中にいた瞬は、転びそうになりながら駆けより、陸に飛びついた。