公園に寄り、いくらか日が傾いても、当然のように暑くてセミがうるさい中で、アイスをそれぞれ頬張る。
「えー、付き合うことなった??」
「しー!声大きい。実はね、さっきコクられて…」
友達の辻井里乃(つじい りの)の突然の発言に、うっかり棒のアイスをそっくりそのまま落とすところだった。
棒からたれてくるアイスを急いで口に入れ、ゴクンと飲み干して言葉を吐き出す。
「だって、だってあいつのこと、里乃嫌いだって言ってたよね」
「まぁね。でもね、他の子と一緒にいるとこ見たら妙に妬けちゃうっていうか、後藤にどついたりできるのは私だけじゃんって思ってたとこあるからなんだよね。それってさ、…もう好きになってたってことだよね。自分でもびっくりだよ。それにさ、人って見かけによらないよねー。眼鏡取った顔、何気にかっこいいんだよ」