「ちゃんとお弁当持った?忘れ物ない?ゆづちゃん」


「うん。大丈夫。じゃ行ってきまーす」




陸を避け、いつもより早く一人で家を出ていく優月。



それから間もなくして陸も出た。





「あんなに怒鳴らんでもいいのに。やれやれ」


「帰ってくれば、また元通りになってるさ」


「そうね、二人の好きなプリンでも買っておこうか。さー、瞬ちゃんも仕度しないとね」



おじいちゃんとおばあちゃんは、窓から遠ざかる二人の背中を目を細めながら見ていた。






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一週間後の文化祭に向け、各学年準備に割り当てられた午後の時間。


優月のクラスはお化け屋敷をすることになっている。


お店でいらないダンボールを貰いに行った帰り、優月の班はこっそりアイスを買った。