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これは月が紡いだ、長い長い遠い物語の中の、とあるお話の一つ。









月がある夜明け前に見つけた、二つの光がお話の始まり。



光り方こそ全然違うが、大きさは瓜二つ。

まるで双子の星のようだった。




そして光の主である声は、今にも風にかき消されてしまいそうな程小さく細く、その度に光も見失いそうになった。

けれど月は一度見つけた声を光を、必ずまた探すのだった。




双子の星のような光の物語を歌う時は、決まっていつも夜が明けるほんの僅かな時間の、月が透き通る白い輝きの時だけ。




歌わずにはいられないのかもしれない。





自分には光の主達のような沢山の輝きは持てないし、何しろ自ら光を放つということができないのだ。


その代わりに、自分ができること。


それは宇宙の中、地球から放たれる全ての声を、光を、見つけ受け止めること。

そして彼らの思いそれぞれにふさわしい時間帯を選んで、歌うことだった。






永遠に終わることのない、光の声の物語の歌。




その続きはまた今夜紡がれるのだろう……。