「え、俺のせい?」


「ふふふふ。そう相園君のせいだよ…。学校が楽しいって思ったのも、本当の自分を出せるようになったのも、自信がついたのも、変わろうって思ったのも、全部」



涙は全部流し終えたのか、彼女はすっきりとした笑顔だった。



「ありがとう。…だから、もう心配しないで。相園君は自分のこと考えて。大切な人いるんでしょ。私は大丈夫だから」



彼女からそんな言葉をかけられるとは思ってもいなかった陸は、ただただ驚いた。


「気づいてないと思った?相園君てなかなか自分のこと話したがらないよね。でも何もない人なんて、絶対いないんだし、しっかりしてる相園君も、陰できっと頑張ってるんだろうなって思ってたよ」


「まじかっ……。小柳のほうがよっぽど自立してるな。かえって俺の方が励まされてるし。なんだこれ、はは。話してくれて、ありがとな小柳」


「ううん」


携帯の時間を見ると、陸は立ち上がった。