彼女達の横を早足で通り過ぎ、教室に戻るとそこに小柳の姿はなかった。



当然と感じてしまうことに苛立つ。







もうすぐ4時間目が始まろうとしているのに、彼女が戻ってくる気配はなく。

結局そのまま授業が始まり、小柳が居ないことに、心配する以前に素知らぬ顔を通す彼女達に、怒りが込みあげて仕方がなかった。


それと同時くらいに不安も駆け巡った。






授業を終えると、陸は教師に次いで一番に教室を出ていた。











いつもの場所、中庭のベンチに彼女は居た。



日差しはあるとはいえ、さすがに真冬の空の下は気ままにのんびりできる程、居心地がいいものではない。


ましてや長時間も。





乾いた冷たい風がぴゅうっと吹き付けると、陸はぶるっと肩をすぼめた。




(ずっとここに居たのか…?)