「まあまあ、気にすんなって」


にかッと歯を見せて笑う、長澤の特徴の一つでもある、子犬力全開の屈託のなさには、安心感さえ覚える。



重い気持ちさえも、風船のように飛ばしてくれそうな勢いだ。







「…で、どーよ?イケメン兄ちゃんとは。仲良くやってる?」


今ここで優月が飲み物でも飲んでいたら完全に噴き出していたか、器官に入ってむせっていたに違いない。



「ど、どうって?普通だよ。そういえば最近教習所通ってるんだよね。車乗せてもらうのは、楽しみかな」


「へー。免許か、かっけーな。よし、俺も18なったら速攻で取ろう!」



こくこくと頷き目をきらりと輝かせ、決意を新にする彼を見て、単に興味本位というだけではない、その彼の本気の無邪気さがどこか可愛く見え、優月はくすっと小さく笑った。