「うるさいなー。あぐらくらいいいじゃん」


「くらいじゃない。少しは気遣え。そんなんじゃいつまでたっても彼氏できねーぞ」


その一言で優月はカチンときた。


「陸に関係ない。何なの、陸はお父さんでもお兄ちゃんでもないんだから。…偉そうに。迷惑」


「まあまあ二人とも、そのくらいで、ね」


おばあちゃんがなだめるも、温い温度の中、ピリッと張り詰めた空気が漂う。

それを察知した瞬がとっさに優月の膝に乗っかる。



「ゆぢゅ?どうたん?これ、あげゆ、あげゆ。ちゅんのあげゆ!」


先割れスプーンに刺したウィンナーを優月に差し出す瞬。

決して泣き出す顔ではないが、真剣な瞳で健気に元気づけようとしてるのはまっすぐに伝わる。



「ありがとう…」


ぱくっと優月はウィンナーを頬張る。