それから陸は一度も優月の方を向かず、背中を向けたまま浅い眠りへと落ちていった。
翌朝、まだ日が昇る前。
優月は寝返りを打つと、毛布がずれているせいか、すうすうして寒さに気づく。
うっすら目を開け、掛け直そうとしぶしぶ体を僅かに浮かす。
すると、隣に誰かが眠っていることに気づくも、寝ぼけ眼のせいか、しばしぼーっとする。
(……ん?、あれ?ここって、私の部屋じゃ………ないっ!)
やっと状況を理解すると、勢いよくガバッと布団から出る。
(そうだ、昨日あのまま陸の部屋で寝ちゃったんだ…)
今までずっと陸と同じベッドで寝ていたことを考えると、寒さも忘れる程頬が火照りだす。