起こそうとも思ったが、あまりに気持ちよく眠っている彼女を無理に起こすことは到底出来なかった。

それに、寝顔を側で見ていたい、それ以上の考えが彼に横切らなかった訳じゃない。




抑えていた、見てみぬふりしていた感情、欲望が体をほとばしらせる。




胸に痛みを伴う、熱い鼓動。






近頃随分大人っぽくなってきた彼女でも、さすがに寝顔は幼さが大分残っている。

そんな穏やかに眠る彼女に、毛布と布団をかけ、顔にかかった髪の毛を手でそうっとはらった。






彼女を見つめていると、どんどん高鳴る鼓動、ぼうっとなる頭。




優月に対して、理性がこんなにも効かなくなる時があっただろうか。






ずっとただのいとこ同士、妹同然だと思っていたのに。



いや、思い込んでいたに過ぎなかった。