「免許?そっか、もう取れるもんね」
「車あれば大分便利になるからな。瞬の送り迎えも、ばーちゃん達の足とかな」
「私の送り迎えも?」
「はあ?お嬢様じゃねーんだから、自分で歩け」
「もうケチだなー、これだから陸は…」
ミニテーブルの前に座り込んだ優月は、運転する彼を想像してまたドキッとして、ぶつぶつふてくされながら側にあったクッションをぎゅうっと抱いた。
「…帰りが遅くなったら、迎えに行くけど」
俯く彼女の目がパチッと見開く。
なんだかんだ言って、陸は優月に甘い。
顔が緩む彼女は誤魔化すようにクッションに顔をうずめた。
「で、ゆづはどうしたんだ?こんな時間に」
(きた…)
話題を逸らそうにも、やはりそこは避けられないようだ。