―――朝。
「ゆづちゃん、ゆづちゃん!」
「あれ~?おっかしいな。昨日の夜ちゃんと用意してたはずなんだけど…、どこいったんだろ」
たたまれていた服をまた広げ、構わずそこらに散らかす。
「あらあらちょっと、ゆづちゃん」
おばあちゃんが散らかした洋服を広い集める。
「おい!これお前のじゃねーのか?」
バフッ
「うっ!」
頭に乗せられた体育着を見て、ハッとする。
「あ!本当だ!何で?」
「ばーか、俺のと間違えてどうすんだか。学校で気づいたらしゃれになんねーっての」
「へへへ、そりゃそうだ。ごめん。そうだ!おおおお弁当は?おべんとおべんと」
「おべんちおべんちぃ~きゃはは」
「ははは、そうそう瞬ちゃん上手くなったねー」
「ゆづちゃん、はいお弁当。もー、慌てすぎよ。ちゃんと周り見なきゃ」
「ばーちゃんありがとう!気をつけまーす」