知ったところで、今の関係が変わるわけでもない。
いつだって二人はただのいとこ同士だ。
そう思っていた。
おばあちゃんの部屋でもあるこの部屋。
部屋の隅には小さな仏壇があった。
瞬を寝かしつける以外はほとんど足を踏み入れることはなかったが、仏壇にはいつも綺麗な花が供えてあり、幼い子が描いたと思われる、カラフルな色使いで描かれた似顔絵が飾られてあった。
誰だろう…、という疑問は一番最初に抱き、そして今はもう疑問は抱かなくなっていた。
正確には、考えないようにしていたからだ。
ちょっと勇気を出して行動に出た今日。
ついにアルバムらしき分厚い本を見つけ、少し緊張しながら日に焼け、色が退化した表紙をゆっくりめくる。
すると、まず目に飛びこんできたのは幼き頃の陸と優月の姿だった。