「ははは、ゆづちゃんのそういう作る前の迷うくせ、段々わかってきたからね~。いつでもアドバイスあげるよ」


「奈々先輩助かりますー。奈々先輩は、クリスマスプレゼントに何か作るんですか?」


「うーん…」


曖昧な返答をすると、すらりと伸びた細長い足を組み替え、頬杖をつきながら並べられた雑誌をパラパラめくる。


たったそれだけの動作なのに、とても大人の雰囲気を醸し出している。



「奈々ー、決まってるくせにぃ。マフラーでしょ」



そう野次のごとく飛ばす同じ2年の女子達。


「そうだけどー?この前自分で新しいマフラー買ってたんだよねー。何かやっぱり辞めようかなって思ってて」


久米田には年上の社会人の彼氏がいる。

どこか余裕があって大人っぽいのは、そのことも関係しているのかもしれない。



そんな彼女がふと、物思いにふけたような表情をしているのを見て、思わずポロッと優月の心の声が零れ落ちた。


「好きな人の手作りって、嬉しいと思う…、あ、思いますっ」