夜、寝る前。
陸は瞬に絵本を読んであげる。
たまに優月が読むこともあった。
この日、優月も瞬の隣で寝そべり絵本を眺めていた。
しばらくして、瞼が重くなりだした瞬から、すやすや寝息が聞こえた。
そしてその間もなく、同じように陸も眠りに落ちていた。
陸の寝顔は年齢よりも幼く見え、並んで眠るそっくりな寝顔に、ほっこりしてくすりと笑えた。
優月は肌掛け布団を二人に掛け直し、部屋の電気を消して、スタンドライトのほの明るさだけ残した。
静まり返った薄暗い部屋で、優月は部屋の棚に目を凝らす。
探しているのはアルバム。
ふいにこんな行動をしたのは、単なる彼女の興味本位からだった。
瞬が産まれる前のこと。
ひょっとしたら、何か手がかりがあるのかもしれないと思いついたからだ。