そしてその言葉を交わさなくても、満たされてしまう二人の間に流れる風は、どんどん密度を増していくことを、この時はまだ想像もしていなかっただろう。 ただ、この何気ない時間をかみ締めていられればそれでいい、そう思うだけで………。 悪気など一つもなく。 ただただ、お互い無邪気に心からそう思っていた。