目が覚めた時からたった今の出来事を整理しようにも、心臓が早鐘を打つばかりで心が追いつかなかった。


けれど、陸に触れられたほっぺやおでこは、すぐにでも思い出せる程確かな陸の温度を感じた。



抱きしめられた時にふと髪から香った匂いも、一緒に暮らすようになってから知った、今ではお馴染みの陸お気に入りのシャンプーのもの。


意識がぼうっとする優月に代わり、五感はしっかり残してくれていた。




(何か、すごいびっくりするようなことも言ってた気がするけど…)



どんどん頭が朦朧としてきた優月は、それを思い出そうとしながらも、眠りに落ちていったのだった。

でも、もう靄に包まれ、さ迷うあの夢は見なかった。







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プラネタリウム館の中で眠った優月は、高熱を出していた。


目を覚ます気配のない彼女は、同行していた人もいないことからすぐに病院に運ばれた。