「…知ってたの?えっと、何をど、どこまで?」


まさか彼の口から、そんな言葉が出てくるとは全く思ってなかった優月は、瞬く間に混乱し頭を抱える。


「本当は彼氏なんて、いないんだろ?全部長澤君が話してくれた」


「あ…、そうなんだぁ」



(終わった…、全部終わった…)



陸に知られてしまった以上、虚勢なんてもう無意味だ。

抜け殻と化した優月はかくっとうな垂れた。



(案外、バレるのも簡単だったなぁ…はは。でもまさか、私の気持ちまではっ)


密かに焦りが生まれ生唾を飲みこむと、そんな彼女を知ってか知らずか、陸は優月に布団を掛け直す。



「今日はもう遅いから、また明日な」


「陸は、今日大丈夫なの?電車だってもう…」


「近くのネットカフェに泊まるから。お前まだ熱下がりきってねぇんだよ。安静にしてな」



優月の肩まで布団を掛けると、彼女のおでこにやんわり触れる。