「…ていうか、高校生だったんだ?いとこって」


「あ、そうそう。知らなかった?うちらの2個上。あの佇まいはもう大人の貫禄が出てるのよね…、本当に高校生に見えない」



『高校生に見えない』、おしゃべりな里乃の何気なく言ったその言葉に優月はびくりと反応する。

確かに彼は普段瞬と接している姿は、年齢を感じさせない。

生まれ持った雰囲気もあるかもしれないが、日常的に父親をしているのだから、それがにじみ出ていてもおかしくない。



バレた訳でもないのに、優月に何だか焦りが生まれる。



「へー、仲良さそうだよね。聞いてる限り」


「それがさー、ケンカ中なんですってよ」


途端に里乃は井田端会議のおばちゃんのように言う。


「そうなの?俺も上に姉ちゃんいるけど、ケンカなんかしょっちゅうだよ。昨日もアイス食ったくらいで、ボロクソ言われたぜ?」


「ははは、そんなもんだよねー」