「極道なの?」
「……はあ?何言って、んな訳あるかー!ていうか、やっぱりってどういうこと?」
「だははははは!冗談冗談、でも本当に迷惑だったらいいけどさ、はー、ウケたわ」
里乃は自分で言っておきながら腹を抱えて笑った。
優月は想像していたことと違ってホッとしたが。
「何ていうか、今陸とケンカしてるんだよね。気まずくて…」
「えー、たかが兄妹喧嘩でしょ?そんなの明日にはケロッとしてるって、バカゆづちゃーん」
「ひ、ひたた、り~の~やめなさいー」
ガシッと優月の肩に手を回し、ついでに彼女のほっぺをつねる。
(たかが兄妹喧嘩、でもないんだよ…ね。それが)
里乃に本音を言えないことがずしりとのし掛かって、励ましのつもりでつねられるほっぺが、やけに寂しく痛んだ。
「おまたせー、何かすげー楽しそうじゃん?何話してたの?」
コンビニの肉まんを買いに行っていた陸が戻り、公園へ移動する。