迎えに来ようとしてくれた、心配してくれた、そのことだけで、優月は無性に嬉しかった。
素直になれたら、どんなに楽か。
何も隠すことなく、昔のように陸に甘えられたらどんなにいいか。
優月はテーブルに置かれている親子丼を見つけると、涙を浮かべ、でも必死に堪えながら、一粒残さず食べた。
陸は自分がさっき見た光景が、目に焼きついて離れず、瞬が寝静まった後も、ぼうっとしていた。
帰りが遅い彼女を心配し、家の近くまで見に行った時に見た光景…。
それは優月と男の人がキスをしているような姿だった。
辺りは暗く、定かではないが、付き合っているなら当たり前の行為。
なのに、どうしても嘘だと、信じたくない自分がいた。
しかも、慌てて引き返えしたりして、何よりたまらなくショックを受けている。