あれからというもの、優月と陸は意地の張り合いとなり、あいさつ程度しかすっかり口を交わさなくなっていた。
瞬のことを考えると、そんな重い空気を漂わせ続ける訳にはいかないと、それぞれが思っていたが、歩み寄ることがなかなか難しくなっていた。
おばあちゃんが気を利かせて、二人の好物であるプリンを買っておいてくれるが、それも以前のようにはいかず…。
お風呂から上がった優月が冷蔵庫を開けると、待ってましたと言わんばかりに、プリンが目に飛び込んでくる。
どれだけ買い込んだのか、3個パックのプリンが3つも。
それだけおばあちゃん達が心配しているという証でもある。
優月はその隣のみかんゼリーに手を伸ばし、迷った末に手に取ったのはプリンだった。