恥ずかしさが勝っていたが、さすがに怒りがこみ上げてくる。
どこまでふざけるつもりなのか。
「長澤君、いい加減にしてよ!そうやって冗談ばっか言って」
「わーかった、わかった。ごめんて。佐野おもしれーんだもん。今日のことは言わねーよ。特別にな。だってあんなおもしれーもん、他の奴に教えるの勿体ねーし。じゃーな。…サービス」
「バカか」
去り際、チラッとシャツを巻くり上げ、お腹を見せてきた長澤。
何が本音か全くわからないが、少しは信じてもいいような気が優月はしていた。
ノート運びを手伝ってくれた今日。
あんな風に結構気が利いて優しい奴だってこと、本当は前から気づいていたから。