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最初から里乃は、写っている男の人はいとこだと、説明をしてくれていた。
子供は、多分親戚の子だと…。
優月は自分の口から本当のことを話すことはできなかった。
里乃のように上手く誤魔化せば、大ごとにもならなかったはずだ。
けれど、陸と瞬のことを隠していることだって、本当は心苦しく思っていた彼女にとって、誤魔化すことはさらに罪を重ねるのと同じくらい辛いものだった。
だから彼女は、担任に噂のことを追求されても、真実を語ろうとはしなかった。
「…佐野の子ではないことは確かなんだな?」
「はい…」
「だがな…。もう噂は校長の耳にまで届いてるんだよ。ここまでくると、お前の中学の出身校にも連絡がいきかねない。子供は親戚の子だって言うんだろ?だったら、直接親御さんに説明してもらったほうがいいと思うんだ。その方が早く噂も無くなるし、みんなも納得するだろ」