バンッ!
「…っ」
教室内の音を全て消し去る威力あるその音は、長澤が机を思いっきり叩いたものだった。
「いい加減にしろよ。毎日毎日、面白いように話してるけど。ほんっとに呆れる。もっと大事なことあんじゃねぇの?」
立ち上がったまま、彼はそう吐き捨てた。
長澤が怒った姿を初めて優月は見た。
きっと、クラスメイトも同じだったのだろう。
この場にいた全員が、言葉を失くしていた。
「あーあ、アホくせ。行こ」
よほど頭にきていたらしく、長澤は男子軍団とともに教室を出ていった。
そんな長澤の激怒があってからか、一旦は噂が引いたように思え始めた頃のこと。
今度はとんでもないとこまで影響を及ぼすことになってしまった……。