それと同時にチャイムも聞こえ、我に返った優月は急ぐ。
さっき言っていた長澤の言葉は、本当かどうかは定かじゃない。
いつも授業中、先生の奥さんの話題を勝手に振ったりして授業を脱線させ、ゲリラライブと称して、休み時間突然廊下で男子軍団でダンスしだしたりと、いつも変わったことをする彼。
そんなふざけたことばかりする人に、急に正論染みたことを言われて納得できるはずがない。
もしかしたら自分が教室に戻る頃には、すでに腹黒が広まっているかもしれない。
優月はそんな不安を抱えた。
ところが、長澤が周囲に告げ口した様子は感じないまま時間は過ぎ、ついには放課後を迎える時間になった。
安心というより、余計に心配が増す。
きっと弱みを握って悪巧みでも…と、優月はさらなる疑念を持つが、意外に本当はそうじゃないのかもしれない。
そんなことも思ったりした。