「う、う、う、うえ…」


「どどどどうしたのかな?はぐれちゃったのかな?」


「うえええええええん」


案の定、コップから一気に零れ出たかのように泣き出してしまった。



(あちゃあ…)


困り果てても、だからと言って協力してくれる人も現れず…。


おじいちゃん達に子供の家族を探しに行くことを伝えると、その子の手を引き、急いで探しに出向いた。





優月も初めてきた水族館で、場所も何も分からなかったが、あのまま見過ごすことはできなかった。


繋がれていない右手はしっかりイルカが抱かれている。

女の子の歳は幼稚園児くらいだろうか。

活発そうなオーバーオールとポニーテール姿。




「一緒に探そうね、大丈夫。すぐ見つかるよ」


そう励まし続け泣き止んだものの、真一文字に結んだ口に、不安そうな瞳は、気が強くもまだまだ甘えたい子供らしさを思わせる。