優月は世間的ないとことの関係を改めて思い知った。



自分に芽生えた陸への気持ちは、ひょっとして、里乃達のような暮らしとは違う、特殊な中で育ってきたからかもしれないと。


いとこには陸しかいないし、自分に兄妹もいないそんな中で、幼い頃からお互い兄妹のように一緒に過ごしてきた。

それは同居を始める前からだ。


決して同居をきっかけに芽生えた気持ちではない。



でも10年以上ぶりに再会し同居したことで、忘れていたはずの気持ちが、呼び戻されてしまった可能性はある。







もしあの時、再会していなかったら、一緒に暮らすこともなければ、本当に忘れたのだろうか…。

優月は、白紙になったもう一つの過去に思いを巡らせた。


そして、考える。


仲が良いのは、珍しいけど、悪いことじゃない。

じゃあ、好きになるのは、…おかしいのかな、と。