結局、陸から【いとこ】だと紹介されることもなく、せっかく背伸びした服も何の意味も持たなかった文化祭。


勿体無い気もするが、もう着る機会も、気持ちもなくなったその服は、押入れの奥にしまいこんだ。







―――。.*゜――。.*゜―――



文化祭も終わり、通常授業に戻った学校。


クラスの大半は燃え尽き症候群になっていた。



もちろんその中に優月と里乃も含まれる。




昼休み、好きなアーティストの新曲を、プレイヤーで流しながら、お弁当を食べていた。


アップテンポなラブソングだ。

曲を聞き入っているのか、ぼーっとしているのか、そのどっちかの二人は黙々とお弁当を頬張る。




優月は陸の文化祭の時に言っていた、里乃の『私のいとこと大違い』という言葉を思い出していた。