結局、陸から【いとこ】だと紹介されることもなく、せっかく背伸びした服も何の意味も持たなかった文化祭。
勿体無い気もするが、もう着る機会も、気持ちもなくなったその服は、押入れの奥にしまいこんだ。
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文化祭も終わり、通常授業に戻った学校。
クラスの大半は燃え尽き症候群になっていた。
もちろんその中に優月と里乃も含まれる。
昼休み、好きなアーティストの新曲を、プレイヤーで流しながら、お弁当を食べていた。
アップテンポなラブソングだ。
曲を聞き入っているのか、ぼーっとしているのか、そのどっちかの二人は黙々とお弁当を頬張る。
優月は陸の文化祭の時に言っていた、里乃の『私のいとこと大違い』という言葉を思い出していた。