「へ、減ってる!超減ってる!」


思わず勢い余って、身を乗り出す。


「ふ、すげー必死。どうぞ全部召し上がれ」


「ありがとう。いただきます!んー、おいひっ」


小さな口でパンケーキにかぶりつく。

普段の大人しい彼女とは真逆な活発さを覗かせ、陸はその隣で優しく微笑んだ。


チョコソースで描いた陸の絵は、小柳の愛猫だった。





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二人の笑い声が聞こえる度、ズキンと鈍い痛みが優月の胸に響く。



(誰なんだろう…。分からない、分からないけど。きっと、親しいんだろうな…)




硬直していた足を、引きずるように無理やり動かし、優月はもたつきながらも急いで駆け出す。




早くこの場から離れなきゃ、その一心で。