「へ、減ってる!超減ってる!」
思わず勢い余って、身を乗り出す。
「ふ、すげー必死。どうぞ全部召し上がれ」
「ありがとう。いただきます!んー、おいひっ」
小さな口でパンケーキにかぶりつく。
普段の大人しい彼女とは真逆な活発さを覗かせ、陸はその隣で優しく微笑んだ。
チョコソースで描いた陸の絵は、小柳の愛猫だった。
。.*。.。.*。.。.
二人の笑い声が聞こえる度、ズキンと鈍い痛みが優月の胸に響く。
(誰なんだろう…。分からない、分からないけど。きっと、親しいんだろうな…)
硬直していた足を、引きずるように無理やり動かし、優月はもたつきながらも急いで駆け出す。
早くこの場から離れなきゃ、その一心で。