つい先週にも食べた、リクエストした訳でもない今日のメニューは、もしかしたら【バカゆづ】と書いたことを、少しは反省して気でも遣ったからかもしれない。


そう優月は思った。



単に自分勝手なうぬぼれだとしても、大好きな味に、八つ当たりなんてできるはずがない。






見てしまった光景を、無理やり黒く塗りつぶすかのように、一切考えずに親子丼を完食。



確かにいつもと変わらない味なのに、何だか今日は心までは味が染みていかず、お腹は満たされても、心がすかすかしたままだった。


もちろん、周囲にそんなことは悟られにようにいつも通りを貫く。







洗い物を終えて自室に戻る途中、優月は瞬を寝かしつけに行っていた陸とすれ違う。



「おやふみぃ~。ゆづも早く寝ろよ。明日休みだからっていつまでも起きてるなよな」


あくびをしながらも、しっかり忠告をする陸。