俺の…家…?

『夏川に俺の家聞かれたって…それと、綾音のことと何の関係があるっていうんだよ?』

ケンの言葉は、俺には理解不能だった。

『別に関係あると言ったわけじゃねぇだろ?ただ…おまえが綾音っちの家に住んでるって言ったら…』

『ケンっ!何勝手に言ってんだよっ⁉︎』

『悪かったって…!そしたら栞ちゃん…何か思いついたように走って帰っていったから…かといって証拠も何もねぇし…何とも…』

『夏川が…何で綾音を傷つけんだよ?』

夏川が綾音を傷つける理由なんか…ないだろ…?

『栞ちゃんが、おまえに気があるのは、わかってんだろ…?』

『…知らねぇよ…んなこと…』

『栞ちゃんだけじゃない…。蒼…おまえのファンクラブができてるらしいぜ…?』

『はっ⁉︎こんな時に何ふざけたこと言ってんだよ…』

そう言って俺は、ケンの胸ぐらをつかんだ。

『…ふざけてねぇよっ!おまえのそばに当たり前のようにいつもいる綾音っちのこと、妬んでる女たちいっぱいいるんだよ!』

『何で綾音が…』

『蒼…おまえは自覚なさすぎんだよ。おまえはモテんだから…おまえは綾音っち以外興味なくても、おまえのそばにいる綾音っちは…いつも傷つくんだ…』

そう言って、今度はケンが俺の胸ぐらをつかんだ。

『綾音っちの気持ちも…少しは考えてやれよ…このアホが!』