『ちょっと…!綾音⁉︎なっ…何?蒼くん…誰がこんなこと⁈』

『…わかんねぇ。朝来たらラクガキと…綾音の上ばきもたぶん隠されてる』

『…何で?綾音が何で…こんな目に…?』

『美々ちゃん…ごめん…あたしトイレ…』

泣きそうになって、あたしはトイレまで走った。

何であたしが…?どうして…?

誰がこんなこと…。

ーー・・・。

クラスのみんなが…あたしを見てた。

軽蔑した冷たい目…みんなヒソヒソ話してた。

まだ入学して間もないのに…
あたし、誤解されたままこれから生活しなきゃいけないの?

トイレの個室に閉じこもると、涙がとっとあふれ出した。

何人かの人の声が聞こえる。
あたしは泣いてるのがバレないように、あわてて口をふさいだ。

バッシャーン・・・ーー‼︎

『キャッ…』

いきなり上から、大量の冷たい水が降ってきた…。

『アハハハハハハッ…』

女の子たちの笑い声…
何人いるの…。

怖くて…冷たくて…。

震えながら…
あたしは…ドアを開けることができなかった。

笑いながら女子トイレを出ていく足音が聞こえる。

複数の足音・・・ーー。

あたしを嫌っている人は…何人もいるんだ。