『おいっ、綾音…!』

上ばき…何でなくなっちゃったんだろう…。

誰か間違えたとか?もしかして…
誰かに…隠されたの?

職員室でスリッパを借りて、蒼のところに戻った。

『おまたせっ。蒼』

『上ばきどしたんだよ?』

『んー何だろ…』

あたしと蒼が教室に入ると、いきなり目に飛び込んできたのは、黒板の派手なラクガキ…。

【鈴ヶ森綾音は淫乱女‼︎】
【ブス!死ね】
【誰とでもヤレます!本人までご連絡を】

信じられない言葉がたくさん書いてあった。

『何これ…』

一瞬、何が起きたか信じられなくて、放心状態になった。

『んだよ、これ!ふざけんじゃねぇよ…!』

蒼の怒りの声に、現実に引き戻される。

『…蒼』

『誰がこんなことっ・・・ーー‼︎』

ドンッ・・・!!

蒼は、そばにあった机を思いきり蹴り飛ばした。

クラスメイトが見てる中で、蒼はひとりで、必死に黒板を消してくれた。

『おはよ…何?何の騒ぎ?』

美々ちゃんが、あたしの後ろから顔を出した。