『アレって何だ?…まぁ苦手なんだよ。何となく』

『ふ〜ん』

あれ…?今度は優しく押してる…。

『俺…このまま寝そう…』

俺は、そっと目を閉じた。


[ 綾音 ]

『…蒼?』

ホントに寝ちゃったみたい…。
よっぽど疲れてたんだね。

あたしは、マッサージをやめて、蒼の身体にそっと毛布をかけた。

可愛い…寝顔。誰にも渡したくない…。

『おやすみ…チュッ』

蒼に内緒で、ほっぺにキスをした…

蒼を、あたしだけのモノにしたい…

でも…
罠はもう、かけられようとしていた…。


ーー翌日。

学校へ行くまでの間、蒼の顔を見るのが恥ずかしかった。

昨日…こっそりキスしちゃったからね。
『あれ…?』

あたしは、下駄箱で、あることに気付く。

『どうした?綾音…』

あたしの上ばきがない…。

『上ばき、持って帰ったの忘れてたっ。スリッパ借りてくるね〜』