『…さんきゅ』

俺は、夏川が差し出したコップを手に取った。

『…へへっ』

夏川が急に笑い出す。

『何?』

『蒼くんって普通にしててもカッコイイけど…サッカーしてる時は、めちゃくちゃカッコイイねぇ〜♪』

『そりゃ、どーも』

『蒼くんのサッカーしてるところ、これからずっとみてられるだなんて…栞、嬉しいなっ』

冷たくあしらってんのに…
こりねぇ…女。

あ〜あ、綾音に…試合見に来てもらうためにも、練習してレギュラーなんなきゃな!

『ちょっと、蒼くんてばぁ〜!話聞いてる〜?』

夏川は俺の腕をグイッと引っ張り、顔を近付ける。

『えっ?あぁ…聞いてなかった』

練習、頑張ろっ!
俺は立ち上がって、全力でグラウンドに向かって走った。

『ちょっと蒼くんてばぁ〜っ!』

綾音にカッコイイところ、見せないと…!


部活も終わり、制服に着替えて、ケンと俺は校門へと歩いた。

『はぁ〜疲れたなぁ…』

そう言って、俺はため息をついた。

『久々の部活だしな。でも蒼、めちゃくちゃ頑張ってたじゃん!先輩たち、ほめてたぞ?』