『困る』

俺は、綾音しか興味ねぇっつうの…。

『学校一の美少女って有名だぜ?何でも、今までフラレたことないらしいんだわ。付き合った男は数知れず…』

『だいぶどーでもいい情報をありがとーな』

『蒼、栞ちゃんにも興味ないのかよっ?』

『ねぇよ』

『マヂかよっ?まぁな。人の彼氏でも奪うらしいから、女には嫌われてるみたいだけど…可愛いしさ。でもあれほどの美少女だぞ?一度でいいから…』

ケンは斜め上を向いてニヤついている。

妄想が始まったらしい。

『ケンって…ただの変態だな』

『男は、みんなそうだろう〜?』

『俺は好きな女しか興味ねぇよ…』

俺の言葉にケンは深くため息をつく。

『蒼がモテるのわかるよ…おまえは…えらいよ。そんなにいいかねぇ?綾音っち。俺にはサッパリだな…』

安全にイラッとした。

『誰にもわかってほしくねぇよっ!』

『おーおー。ムキになっちゃって…可愛くねぇ蒼くんは♪』


[ 綾音 ]

ーー・・・昼休み。

綺麗な青い空に、おいしそうな、ふわふわした白い雲がゆっくりと流れている。