『バカッ…!その変態な性格、どうにかなんないの?』

『…男はみんな、そういうもんだろ?』

綾音の怒った顔も可愛くて、ついイジメたくなる…。

綾音にバカって言っておきながら、俺もバカだな。小さい頃から何も変わってねぇ…。

『ちょっと…何?何か用?』

綾音は俺の背中を無理やり押して、部屋から出そうとする。

『そんなに俺が邪魔か』

『違うけど…』

そんな上目遣いで、俺を見んなよ…。

『…なんかCD貸してん綾音のオススメの曲…』

『えっ…CD?なんだぁ…えーっと…ちょっと待って…』

綾音が急にあちこち引き出しを開けている。あーでもない、こーでもないと、ぶつぶつつぶやいているのが面白かった。

『ねぇ…これは?』

綾音がいい曲だよと、俺にCDを渡す。

『それでいいよ…さんきゅ』

『それだけ?』

そうだ…言うことあったんだ。

『綾音…明日から、一緒に帰れない』

『帰れないって…サッカー部に入ったの?』

『うん』

俺の返事を聞いて、綾音はすごく嬉しそうにベットの上に寝っ転がっている。

『むきゃ〜っ』

『そんなに嬉しいのか?』