『えっ?脱!幼なじみ!』

『声が小さいっ!脱っ!同居人!』

美々ちゃんの目が怖い。
あたしよりも気合入っちゃってる。

『脱っ!同居人!』

『ファイトーーオーー‼︎』

美々ちゃんはあたしの腕を強引に上に振り上げた。


蒼は…どんな女の子を好きになるのかな…。

そういえば、蒼から今まで恋愛の話、聞いたことない。

蒼は今まで誰か好きになったことはあるのだろうか…。


学校帰りに蒼が、クレープを買ってくれた。

ふたりで食べながら歩いてく。
イチゴと生クリームとカスタード。

クレープはあたしの夢がつまった、甘くておいしい食べ物。

『なぁ綾音?朝のこと、まだ怒ってんのか?』

『怒ってないよ…?何で?』

あたしの口についていた生クリームを蒼が指で撮取り、それをペロッとなめる。

『なっ…〜〜』

『ん?』

……ドキドキさせないで。
心臓止まったらどうするの?

『ホントに怒ってねー?』

『別にいつもと変わんないけど?』

『うそつけ。機嫌わるー』

蒼はプイッとふてくされて前を歩く。
蒼がモテてるから、ヤキモチ焼いたなんて言えない。