蒼は…いつも、あたしを助けてくれる。

小さい頃からずっと…
心の中で蒼の名前を呼ぶと、蒼はあたしのもとに飛んできてくれた。

『蒼…ありがと…』

抱き締められると…
これでもかってくらいに実感する。

蒼が男の子なんだって。

幼なじみっていうだけじゃない。

あたしの中では、ちゃんと男の子なんだって…

好きだよ…蒼。

『あぶねぇ車…おまえ気ぃ付けろよ…』

蒼があたしの身体をそっと離す。

『ドジなんだからさ、死ぬぞ?』

蒼はあたしの頭をそっとなでながら、満面の笑顔を見せる。

『…ドジは余計っ!』

蒼に触れられるだけで、苦しくなる・・・ーー。

蒼の笑顔を見るたび、あたしは欲深くなる。

蒼をあたしのモノに、あたしだけのモノにしたいって…


学校に着くと、あたしは早速、美々ちゃんに蒼との同居について報告をした。

『はっ⁇今何つったの⁇』

美々ちゃんの大きな声に、クラスメイトたちが一瞬こちらを見た。

あたしは思わず、クラスメイトたちに無言の笑顔を返す。

美々ちゃんは驚いて、目を真ん丸くしていた。

『しーっ!美々ちゃん声でかいって…』

『だって同居って…!』