ホントはね…眠くなってきちゃった…。

でも…もう少し起きていたくて、蒼の横顔を見ていたくて。

『蒼は?』

『俺?全然眠くねぇ』

『そっか…』

眠くないなんて嘘ついたり。

でも…こんなそばで眠りにつけるなんてね?

昨日まで夢にも思ってなかった。


蒼…好きだよ。


心の中で…そっとつぶやいた。

おやすみ・・・ーー明日からまた、楽しい毎日が始まる…。

今夜はきっと、素敵な夢を見るね。


[ 蒼 ]

『何か…俺たちももう高校生って思うと…早いよな…?』

俺がつぶやくと、返事はなかった。

『綾音…?』

綾音の方を見ると、毛布にくるまって寝息を立てている…。

『…寝ちゃったのか…眠れねぇって言ってたくせに…』

幸せそうな顔して…

『口開いて寝てる』

無邪気で、それがすごく可愛い…。

サラサラの長い髪に…
くるんとしたマツ毛…
ちっちゃい鼻…
柔らかそうな唇…。