[ 綾音 ]

ーー・・・。

あたしは布団に入り、目を閉じた。

どうしよう…眠れない…。

ピロリ〜ン♪

携帯のメール音が鳴る…。

『…何で?』

蒼からのメールが届いた。

‘‘起きてたら、部屋に来いよ。’’

眠れるわけないじゃん…。

隣の部屋に蒼がいるって思うだけで、ドキドキして…眠れないよ…。
時計を見たら、夜中の2時だった。

ガチャ・・・ーー。

下の部屋で眠っているパパとママに気付かれないように、そっと静かに蒼の部屋の扉を開ける。

『蒼……?』

部屋は真っ暗で、蒼の顔が月明かりに照らされ、ぼんやりと見える程度だった。

『綾音…』

蒼があたしの方に振り向くと、胸の奥がギュッとなった。

『どうしたの…?』

『ん…?まあ座れよ』

蒼は窓越しに座り、星を見上げていた。
『なんか…眠れなくてさ』

『あたしも…』

あたしは蒼の布団の上に膝を抱えて座った。