『冗談だろぉ〜?誰がおまえなんかと…この色気ゼロの女になんか何も感じねぇよっ』

俺は、笑って言ったんだ。
いつもみたいに…ふざけて。

なのに…。

『・・・蒼の・・・バカッ‼︎』

綾音は、一瞬泣きそうな顔をした。

『そんなにキレなくてもいいだろーよ』

綾音は、返事もせずに乱暴に部屋のドアを閉めた。

俺ひどいこと言ったかな…?

でも、いつもふざけてるし…

俺ってホントに素直じゃないよな…。


ピピピピピ…ーー♪
床に置いてた俺の携帯が鳴る。
画面を見るとケンからだ。

『もしもし?ケン?』

‘‘ハロー?’’

『は?…何だよ?』

‘‘どうだぁ〜?綾音っちとのラブラブ部屋は…’’

『部屋は別々に決まってんだろ?』

‘‘へぇ〜?’’

こりゃ、信じていないな。安全に面白がってる。

‘‘めくるめく…甘い夜の始まりだな…’’

『ケンっ‼︎』

‘‘シーユーアゲインー!’’

うざい。
ケンのやつ…何も用ねぇのに電話してきたのかよ。

俺たちに甘い夜なんて、やってくるのか…?