「ありがとうございます、長嶋社長。

・・・でも退社とか、入社とか、意味が分からないんですけど」

合点がいかない事ばかりで、舞は困惑しっぱなしだった。



「今が一番大事な時だ。

それなのに、冷たい水仕事に、重たい物を持つ事になるだろう、

今の店じゃ」


そう言ったのは英志。


「元気な子供を産み、ある程度落ち着くまでは、仕事は休め」

「え、でも・・・

少しは動いた方が、体にはいいんですけど」



「そう言うと思って、今日から、俺の秘書をしてもらう事にした」

「・・・へ?!」


「まだ次は見つかっていないし、秘書なら事務処理がメインだ。

座ってできるしな・・・それに」


そこまで言って黙った英志。

それを見ている長嶋は終始クスクスと笑いっぱなしだ。


「…本当、どれだけ、溺愛してるんだか」

「…長嶋さん?」


「…24時間、俺の傍にいられるだろ?」

「・・・・・」

…そう言う事だ。