いつになったら配置が完了するんだ。

進藤は89式小銃を構えたまま焦燥に駆られる。

敵は既に配置を完了し、少しずつその距離を詰めてきている。

ブルトザオガーの装備するFN SCARならば十分に射程圏内の筈だ。

あまり近づかれては不利だ。

「三浦分隊長、俺が先に狙撃で…」

『馬鹿な真似は止せ。もう少しで配置が完了する。慌てるな』

「でも!もうすぐそこまで来てるッスよ!ダイナミックエントリー(閃光弾を投げ、一気に突入する戦法)でも仕掛けられたら…」

『わかっている!あと三分だ!三分待て!これは命令だ!』

三浦の言葉に歯噛みする進藤。

三分も待てない。

三分後には突入されて、全員皆殺しにされるかもしれないのに!