文化祭まで一週間。
わたしのクラスはとてもがつくほど自信がついた。
周りのクラスと比べるとわたしのクラスの方が声出ているし、綺麗だ。
選択した曲も綺麗な曲でみんなもお気に入りな曲。
わたしもよくやく練習の成果が出たみたいで加宮さんのピアノと合うようになった。
文化祭が楽しみになっているけど、わたしたちのクラスは一つだけ心配なことがあった。
綾野だ。
「もうすぐ本番なのに…どうしましょうか」
さすがに加宮さんも不安に感じてきたみたい。
「…わたし綾野と話してくる」
なんでこんなことを言ったのはわからなかった。本当に無意識。
気づいたら綾野を追って走っていた。
足の痛みはすっかり消えてぎこちなさだけ。
階段を降りて廊下を走って昇降口へと向かった。
綾野は下駄箱のところで自分の下駄箱を見つめていた。
わたしは足を止める。
存在しないものを見るような目をして綾野はぼーっとしている。
少し怖くも感じるほど。
「あ…綾野」
声をかけると綾野はびくっとして私のほうを見る。